気持ちを一日だけ紙に預けるためのスタンプ
印は本来、証明や記録のために使われてきたが、現代ではそれらの役割はデジタルに移りつつある。
一方で、誰かを思う気持ちや自分への意思は、固定された記録ではなく、時間の中で揺らぎ、更新されるものでもある。
この印は、一般的な紙に押すと最大24時間かけて徐々に薄れていく。押す強さによって残る時間も変わる。
消えていく過程は、記憶や感情の移ろいに重なり、消えそうになればもう一度押すことで、思いを新たに留め直すことができる。
押す瞬間だけでなく、その後の時間までを含めて、現代における印の意味を捉え直す。


受け皿の退色インクをスタンプ本体底面の印面に染み込ませる。印面は一様な平面ではなく段差があり、押す強さによって、写る印の模様や濃さが異なる。誰かに気持ちを伝えたり、自分へのリマインドとして印を押す。

印面の模様は、咲いては散る花びらや、静かに広がって消えていく波紋を手がかりとした。中心に預けられた気持ちが、紙の上で静かに広がり、時間とともにほどけていく様子を表している。軽く押すと中心だけが淡く残り、強く押すほど外側の層まで現れる。

Rendering :
Shiotsuki Takuya
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2026
