椎葉村秘境サウナデザインコンテストで審査員特別賞を頂きました

椎葉村秘境サウナデザインコンテストに応募した作品が、審査員特別賞に選出されました。

その他の審査結果についてはこちらから👇👇

https://shiiba-sauna.com/result2022

椎葉村秘境サウナデザインコンテストについて

日本三大秘境」のひとつ、そして「日本で最も美しい村」とも呼ばれる椎葉村で、広大な絶景を望みながら「ととのう」サウナの提案を募集するものでした。

今回は239点の作品が応募され、優秀賞2点と審査員特別賞4点が選出されました。
優秀賞の2点の提案は、サウナの実施制作が予定されています。

今回提出したパネル

私が単独で提出した作品は審査員特別賞ですので、実施製作には至りませんでしたが、素敵な賞をいただけて嬉しい限りです!

提出案について

私の案は、秘境の川の上にシンプルな架構のサウナを建てるという、単純明快なものでした。これまで複雑な多面形状や曲面形状のデザインを提案することが多かった私ですが、今回の自然に恵まれたこの敷地には、特異な形態よりシンプルな形態の方が適していると考えました。

メインパース
川の上からサウナを正対して見る

「秘境」と呼ばれる自然の中では、まとまった平地の確保が難しく、特に椎葉村は傾斜地が多い地域で知られています。床を敷地面から切り離し、浮かせることで、椎葉村のあらゆる地形に柔軟に対応させることを考えました。今回は敷地の一例として、椎葉村の小崎川の上を選定しました。

川の上にまたがることで、広大な借景だけでなく、川に沿って流れる大自然の空調や、木々のささやき・生き物の声に満たされながら、立地を最大限に活かした空間でサウナを堪能します。
通常の事業スキームでは実現困難な、秘境の川の上に建つサウナは、「日本で最も美しい村」椎葉村の観光価値をさらに向上させます。

サブパース
サウナ入口から中を見る。サウナのそれぞれの機能と背景の緑が奥に連続して見える。

サウナ・休憩スペース・水風呂の機能が一列に並び、それらを縁側で結ぶ計画は、椎葉村の伝統的な民家から着想を得ました。

サブパース
川を下る風が構造体の隙間を縫うように抜けていく。
庇は直射日光をやわらげ、軒裏は周囲の緑と水面を映しこむ。
サブパース
川に点在する岩を天然の束石として活用する。
休憩スペースの床は完全に覆わず、川の直上でととのう空間を創る。

また、「Shopbot」と呼ばれる木材加工機械の活用が、コンペの条件の一つにありました。そのため、応募作品のほとんどが、曲面形状をどのように組み立てるかに焦点を当てたものになると想定され、シンプルな形態はそれらの作品と差別化する意図がありました。

「Shopbot」のイメージ KIBA.com

今回の案は、事前に3次元スキャンした敷地形状をもとにShopbot で材料を切り出し、金物を使用せずに各材料を組み立てます。サウナの規模によっては、事前に工場で組立を行い、そのまま 2t トラックで現地まで輸送することもできます。

ビジュアル制作について

本コンペは、モデリング・レンダリングにBlenderを活用しています。制作についてはまた後日記事でご紹介します。